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〒270-0163 千葉県流山市南流山4-1-15
南流山駅前ビル2階

診察室(以前の内容)

当院にはクリニックとしては不釣合いな^_^;様々な検査機器がそろっています。今回はその一部をご紹介します。

1.光干渉断層計(OCT)

光干渉断層計(OCT) - 診察室(以前の内容)


眼底の細かい異常を5ミクロンという単位でスキャンしてくれる器械です。加齢性黄斑変性、緑内障などの診断に非常に役立ちます。カールツァイスメディテック社のシラスHD-OCTという最新型、最高機種です。

加齢性黄斑変性、緑内障などの診断に非常に役立ちます。 - 診察室(以前の内容)


2.波面収差解析装置(ウェーブフロントアナライザ)

波面収差解析装置(ウェーブフロントアナライザ) - 診察室(以前の内容)


波面センサーという新技術により、今まで測定できなかったメガネで矯正できない不正乱視などを含む、眼球全体の光学的収差の測定・解析を1台で可能にする多機能な測定器械です。円錐角膜などの黒目(角膜)の凹凸の検査や、だぶって見える(複視)原因の解明、当院で行っているオルソケラトロジーのフォローアップ等に役立っています。トプコン社製ウェーブフロントアナライザ KR-9000PWという最高機種です。

円錐角膜などの黒目(角膜)の凹凸の検査や、だぶって見える(複視)原因の解明、当院で行っているオルソケラトロジーのフォローアップ等に役立っています。 - 診察室(以前の内容)


3.非接触型光学的眼軸長測定装置(IOLマスター)

白内障手術には眼内レンズの度数を決定するために眼球の長さ(眼軸長)を測定する必要があります。今までは角膜にプローブを乗せて測定する接触型超音波眼軸長測定装置が一般的でした。この器械、カールツァイスメディテック社のIOLマスターは光学的非接触技術の採用により、局所麻酔を用いない眼軸長測定を可能としました。角膜傷害及び各種感染症の危険性を除去し、患者に対する極めて高い安全性を保証します。また、測定値が安定し白内障手術後の見え方に対する予測精度が向上しました。

非接触型光学的眼軸長測定装置(IOLマスター) - 診察室(以前の内容)


また、全く痛みがなく迅速に測定ができますので、お子さんでもお顔をあご台に乗せることさえできれば測定できます。眼軸長を調べることで、近視が治る可能性がある仮性近視かメガネをかけた方がいい真性近視かの診断に有用です。当院では小児眼科でもIOLマスターを活用しています。

柿田眼科では、電子カルテシステム、マルチカラーレーザー光凝固装置など、その他にも選りすぐりの器械を所狭しと備えています。


誰でもできる目の異常を早く発見するコツ

1.時々(毎日がベストですが、最低週に1回)片目ずつで見え方を確認する

ふだんは両目で見ているので、片目が見えにくくなっても気づきにくいものです。

2.1年に一回は視力検査を受ける

矯正視力(レンズで近視や乱視を治した視力)が両目とも1.0あることを確認する。これは眼科医院はもちろん、眼鏡店でも受けられます。良識ある眼鏡店ならば、矯正視力が不良の場合、眼科医への受診を勧めます。

3.40歳以上の方は年に一度は眼底検査を受ける

眼科医院で受けるのがベストですが、人間ドックで受ける眼底写真でもよろしいでしょう。ただし、眼底写真を判定するのが眼科専門医か確認してください。時々内科医だったりするので・・・。

以上のポイントを押さえて、異常がありましたら眼科医院を受診してください。


コンタクトレンズについて

1.コンタクトレンズを購入する前に診察を受けよう

コンタクトを買ったが調子が悪いと、当院を受診される方がいらっしゃいます。お話を聞くと、そのお店では医師の診察を受けていない、何も質問されなかった、というお返事。診ると瞼の裏はアレルギー性結膜炎で真っ赤…。アレルギー性結膜炎については前回お話しましたが、これはほんの1例です。コンタクトは眼の上に直接乗せるため、使い方を誤ると、最悪の場合失明する場合もあります。

まず、コンタクトが本当に必要な眼か、装用できる眼か、どの種類が向いているかなどを、必ず眼科医にご相談ください。…中には、非眼科医がアルバイトしているお店もあるそうです。

2.定期検診を受けよう

酸素透過性レンズを含むハードコンタクトレンズは、眼に傷がつくとコンタクトがこすれて痛みが出ます。そのため、軽い状態で発見され早く治ることがほとんどです。一方、使い捨てを含むソフトコンタクトレンズでは、傷がついても痛みが出にくく、無理に続けると病気がひどくなる傾向があります。

また、コンタクトを何十年も続けている方は、黒目の内側の細胞が減りすぎて黒目が白く濁る危険性が高くなります。そのため、将来白内障などの目の手術を受ける場合の危険性が高くなります。

以上より当院では、ハードは最低6ヶ月、ソフトは3ヶ月おきの検診をお勧めしています。


白内障について

1.水晶体が濁る病気が白内障

簡単に言いますと、眼球の中にあるレンズ(水晶体)が濁る病気を白内障と呼びます。

濁る原因には、糖尿病などの全身の病気、ステロイドなどによる副作用、強く眼球を打撲することなど、いろいろ挙げられますが、老人性がほとんどです。これは髪が白くなったり、皮膚にしわが寄ったりするのと同じと考えられます。60歳代で60〜70%、70歳代で80〜90%、80歳代でほぼ100%の人に白内障が見られます。

白内障の症状は、かすむ、ぼやけるという症状が最も多く、中には、近視になる、二重、三重に見える、まぶしいなどの症状が起こることもあります。

ちなみに、白内障で痛みはありません。水晶体には神経はないからです。

2.白内障の根本治療は手術のみ

濁ってしまった水晶体は目薬では治りません。目薬は、白内障の進行を遅らせるのが目的です。

白内障自体は放置しても失明することはまれです。しかし進みすぎると、緑内障や外斜視等を起こすこともありますので、定期的な診察が必要です。

つまり、根本的に治して見えるようにできるのは、手術のみです。20年程前の白内障手術は手術後1週間絶対安静が必要でしたが、白内障手術の進歩は著しく、現在の白内障手術の安全性はかなり高くなりました。

3.手術によるメリットは?

白内障手術についての詳しい内容は、手術室のページに譲りますが、利点は、まず当然見えるようになることです。その上、工夫すれば元々あった近視、遠視、乱視を減らすこともできます。

そして、それまで続けていた白内障の目薬から開放されるというのも、大きいメリットではないでしょうか?しかし、手術後3ヶ月位は手術後の目薬が必要です。

眼底出血、網膜剥離などのような眼底の病気は、白内障があると発見が遅れがちですが、白内障を治すことによって、早く発見されやすくなります。


緑内障について

1.手遅れになると恐い緑内障

現在の緑内障の定義は、何らかの原因で視神経が障害され、周りの見える範囲である、視野が狭くなる病気です。

緑内障は、最近の調査で40歳以上の日本人の17人に1人がかかっているのではないかと考えられるようになりました。緑内障になったら見えなくなるというイメージが皆さんにあるのは、治療を受けないまま緑内障が放置され、進行しかすんで見えなくなってから眼科に受診しても見えるようにはならないからです。

2.正常眼圧緑内障

以前の考え方で緑内障の主な原因とされていた眼圧は、現在はその原因の一つに格下げされました。

何故なら、眼圧が高くないのに緑内障のように視神経が障害されてくる、正常眼圧緑内障の存在が明らかになったからです。

特に日本人の緑内障患者の約6割が正常眼圧緑内障です。

3.開放隅角緑内障

皆さんが気をつけなければならないのは、原発開放隅角緑内障と正常眼圧緑内障です。二つを合わせて開放隅角緑内障と呼びます。両方とも自覚症状はほとんどなく、視野に異常が発見されるころには、視神経の中にある神経線維の束の2/3がだめになっています。

つまり、健診による早期発見が大切になります。

4.眼底検査

健診の中で最も大切なのが眼底、眼の奥の検査です。

ある程度進行した緑内障ならば、眼科の研修医でも異常を発見できます。より経験のある眼科医ならば、視野の異常が起こる前に、つまり緑内障になる前に視神経のわずかな変化を発見し、治療を開始することもできます。

5.視野検査

眼底検査で視神経に異常があり、眼圧が高くても、視野に異常がなければ、緑内障という診断はつきません。つまり、視野検査は緑内障の確定診断のために必要な検査です。

この検査中は、集中力を持続させなければなりません。以前に比べるとかなり検査時間が短くなりましたが、それでも片目に5〜10分かかります。

6.緑内障の治療

傷んだ視神経をこれ以上傷まないようにいたわることが治療の目的です。残念ながら、治療しても見えるようにはなりません。視神経をいたわるには、眼圧を下げることが最も大切です。

治療法としては、薬物、レーザー、手術の3種類があります。最近は眼圧を下げる効果が高く、1日につける回数が1〜2回で済む様々な目薬が発売され、手術をしなくても眼圧が充分下がる方が多くなりました。

緑内障は早期発見・早期治療を開始すれば、失明することはまずありません。あまり心配なさらずに、40歳を過ぎましたら、早めに眼底検査を受けることをお勧めします。


糖尿病網膜症について

1.糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症は、糖尿病を長期間患うことによって、網膜(眼底にある神経によって構成された膜)上の細い血管が障害されるために起こります。眼底の出血や浮腫、硝子体(眼球内)への出血、網膜剥離、緑内障などを起こし、最後は失明します。1991年の調査によると視覚障害の原因となる病気の第1位となっています。

2.糖尿病の放置が悪化の原因

糖尿病網膜症治療の基本は血糖コントロール、つまり内科の治療です。初期の糖尿病網膜症は血糖コントロールのみで自然治癒します。

しかし1997年の調査では、糖尿病患者の55%が内科の治療を受けていなかったことがわかりました。これは、糖尿病自体に症状がなく日常生活に支障がないためと考えられます。糖尿病網膜症は前回お話しした緑内障と似ており、治療を受けないまま放置され、進行し見えなくなってから眼科に受診しても見えるようにするのは非常に難しい病気です。

3.治療1:レーザー

糖尿病網膜症が進行すると、眼底の細い血管が目詰まりを起こし、血液が流れなくなります。それが更に進行すると、悪い血管(新生血管)が発生し、糖尿病網膜症は重篤化します。この頃までに、充分なレーザー治療(網膜光凝固)を施行すると、糖尿病網膜症の重篤化がある程度避けられます。レーザー治療は、日帰りで受けられます。

4.治療2:硝子体手術

それ以降に発見された場合は、眼の中の手術(硝子体手術)になります。以前に比べ、硝子体手術の技術は進歩しています。しかし、手術によって糖尿病網膜症の進行を止めることはできますが、視力の回復を得るのは難しいです。また、1週間以上の入院が必要です。

5.糖尿病網膜症による失明を避けるには

健診による糖尿病の早期発見が大切になります。糖尿病が発見されたら、内科医の指示に従い、食事の制限、運動、薬などで血糖のコントロールに努めて下さい。 糖尿病が発見されたら、早めに1度眼科で眼底のチェックを受けましょう。もし、糖尿病網膜症が発見されたら、眼科医の指示に従い定期的に眼底検査を受けて下さい。初期の糖尿病網膜症は視力に影響がありませんので、眼底検査によってのみ進行具合がわかります。

6.ここに注意!!

薬で血糖が下がっても糖尿病網膜症が出現することがあります。お薬では正常な血糖の状態には完全に戻らないためです。血糖が充分下がって眼底に異常がみられなくても、糖尿病の治療を受けている方は、年に1回眼底検査を受けることをお勧めします。

また眼底検査の方法に関してですが、瞳を大きくする目薬をつけてから行う広い範囲を見る眼底検査を受けて下さい。眼底カメラなどの狭い範囲の眼底検査では、初期の糖尿病網膜症にみられる周辺の出血を見逃すことになります。

糖尿病網膜症は糖尿病の治療によって失明を防げる病気です。毎年の健診を欠かさず受けることをお勧めします。

また初期〜中期の糖尿病網膜症は、レーザー治療によって失明を免れることができますので、眼科医の指示に従い、定期的に眼底検査を受けられるようお願いします。